ネタとか書き殴りとかSSとかの倉庫
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主に青祓、鋼(どっちにしろ弟兄)
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ナニがあったどうしたという勢いでりんゆきにょた熱大暴走ですんません。
燐←姫な感じで。
+++++++++++++++++++++++++
「ほんとに、さらっさらだよなぁ……」
するり、と指先が髪をすり抜ける。
じりじりと外を焼いていた日差しが少しずつ緩み始め、辺りは僅かずつその色を柔らかくしていく。
遠くから、かすかに人いきれのざわめきと神楽が聞こえている気がした。
「頭が重くならなくて…そんで邪魔にならなくて崩れない、だったな」
「うん」
「まあ、任せとけ。一番可愛くしてやる」
傍らに置かれているのは深い瑠璃色に白く百合の意匠が抜かれた仕立ての良い浴衣。そして何本かの細いリボンと、細やかな刺繍の艶やかな帯。
襦袢を纏って椅子に座ったまま、雪緒は髪を梳く兄の手に全てを委ねていた。
何に置いてもがさつな兄ではあったが、こういった細かなことは小さな頃から得意で。特に雪緒の髪の毛は途中から全て兄の手で整えられていたのだ。
ただそれは中学に上がるまで、ではあったが。
中学位から修道院に居着かずふらふらとしていた兄は時折しか髪を結い上げてくれなくなっていた。しかし、何故かこういったことに関して雪緒はどうしても不器用で……実際、女子が好むようなビーズ遊びやリリアンなどは全くもって苦手。料理は壊滅的な腕前で、編み物に至ってはマフラーがどう間違ったかコースターに成り果てる始末だ……髪を切ろうと考えていた時、偶然現れた兄は前触れも無くぼそりと呟いたのだ。
きれいだから そのままにしとけよ
それ以降、雪緒の髪は背を半分程覆うあたりで留められている。
そんな事を覚えているのかどうかは知らないが、こうしてまた二人で過ごすようになってから、雪緒の髪を結い上げるのは燐の仕事になっていた。
普段の生活時は雪緒でも出来るようなバレッタを使って纏めたりする程度のことだから手を煩わせることは無いのだが、何処かに出掛けるとか、ちょっとおしゃれをしたいとか、そんな事を思うとき、知ってか知らずか兄は自然と声をかけてくれて。
今日も、それは当たり前のように行われている。
「ねぇ、なにするつもり?」
「んー。編み込みかな。細かくやってリボンも入れてうまく纏めてやるよ。お団子とかだとなんか浴衣にあわねー気がする」
そう言いつつも、手に髪束を少しずつ取っては編み上げて行くそれには迷いも何も無く。右側から持ってきた髪をカチューシャでも作るかのように編み込みつつ左に持っていく様は中々堂に入っている。
「ねぇ、兄さんは浴衣着ないの?」
「あ?なんで?」
鏡に映る、指の動き。
もう、こどもの頃とは違う骨張ったそれが、髪を滑る。
「一緒に行くのに僕だけ浴衣ってなんかいやなんだけど」
何処かくすぐったいその感覚は、何時しかその意味を違えて。
掠めるように触れる指先に、あらぬ思いでこころは揺れる。
「……どうしてもか?」
「できれば」
うーん、と思案する声と共にヒュ、と空気が薙いだ。
「これ、隠すの大変なんだけどよ」
そう、兄には悪魔としての身体特徴故に尻尾がある。普段は腰履きのボトムからはみ出させたそれを腹部に巻き付けてシャツで隠すなどしている様だが、浴衣はそれなりに難しいようで。多少思案顔になっているのを横目で見てから、仰向くようにして兄を見上げた。
「なんとかしてよ」
ね?と首を傾げてみれば、困ったように笑う燐が、見える。
「わーったよ」
ひょいと元の位置に頭が戻され、ピンに括りつけた細いリボンを髪に差し込みながらそう言って我が侭を赦すその姿に、思わず意味を取り違えそうになって、しまう。
違うのだ、と。
兄にとって、自分は妹でしかないのだ、と。
何度も何度も、なんど、も。
跳ねるここをろ押さえ付ける呪文を唱えているというのに。
そんな事を知らぬ兄は、いつもの様に笑ってくれる。
その笑顔一つ、言葉一つで。
自分の胸は、張り裂けそうだ。
「浴衣青いから、飾りのリボンは白のレースにする。眼鏡、ラベンダーのフレームのあっただろ、それに変えろよ?」
「……どうして?」
「その方が絶対に、可愛い」
きっぱりと、潔い程に断言されたその言葉に思わずかぁ、と音でも立てるかのように頬が染まるのが解った。
しずまれ、しずまれ。
そう願うのに収まるどころかますますそれは熱を上げる。
「どうした?なんか熱いぞ?」
「な、なんでもないよ!」
触れているのだ、それに気付かれない筈は無くて。
心配そうな声と共に、兄の指がそっと首筋に触れた。
「────っ!」
途端、雪緒の身体が跳ね上がる。
「お、おい?どうした!ってか熱いぞやっぱり熱あるんじゃねーのか?」
こっちの気持ちなどお構い無しに、兄はそのまま掌を額に重ねようとしたものだから。
「……に、いさん、の」
つい、うっかりだった。
「バカぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
伸ばした腕は、兄の胸を押しやって。
「ぬおっ、お、おおおおおおおおお?」
思い切り良くその身体を向こうの壁へと転がしていたのだ。
ごん、と痛そうな音が部屋に木霊して。
「あで、て……」
ごろん、と。
頭を抱えた燐が床に転がって、いる。
やってしまった、と思いつつも余りのことにフリーズしてしまってそこから動けない雪緒の眼に、むくりと起き上がりつつ自分に視線を向ける兄が映る。
ぶち切れるか怒鳴るかはするだろうな、そう覚悟したというのに。
「あー……驚かせちまった、か?」
その声は、何処か心配げなもので。
「悪ぃ、いきなりやるなってこないだいってたのに忘れてた」
そっと、そっと。
触るぞ、という低めの声と一緒に額に乗せられた掌は、やっぱり優しかった。
「熱は、ねぇな。あとで汗だけ押さえとけ」
「う、ん……ごめん」
本当に勝手な、自分の抱えている気持ち。
兄にとってはきっと負担にしかならないであろうこの想い。
ただのきょうだいの、そのままの気持ちであれば良かったのに。
胸が、たったこれだけのことでも高鳴ってしまう。
「なーに謝ってんだよ。ほら、あと飾り付けるだけだから浴衣着ちまえ」
髪は、いつのまにか仕上がっていたようだった。
複雑に、細さの違う編み込みが重なり合い、所々で花のように形取られて。
その中に編み込まれた濃紺の細いリボンに縫い付けられたラインストーンが時折光を跳ね返す。
ああ、やっぱり。
僕を一番綺麗に仕上げてくれる。
そう思うのは、きっともうこの人を兄という存在としては見られなくなってしまっているから。
だれよりも、なによりも。
愛しく、大切で。そして────愛して、いるから。
決して知られてはいけない、この想い。
それを隠して、包み込んで。
まだ、妹の顔で笑える筈だから。
「……兄さん、着せて」
「はぁ?」
浴衣を持ち上げ手渡そうとしていた燐の眼を、真直ぐに見つめて雪緒は笑った。
「着せてよ」
きっと、その手は自分を一番綺麗に彩る。
きっと、その手は自分を誰よりも理解している。
だから、その手に全てを委ねるのだ。
「……いいのか?」
伺うようなその理由は、さっきの自分の態度だろう。自分のこの、兄に取っては意味も無い感情の為に取ってしまった態度。でも、それがただの気まぐれだと思ってもらう為にも、雪緒は笑う。
「うん」
頷き、にっこりと微笑んで。
今は、まだ笑い返す事が出来る。
何時か、その傍らに自分ではない誰かが立つことになるであろう、見えざるその先に辿り着くその日まで、は。
妹という、己の本心が望まぬ位置で、自分は花のように笑ってみせる。
仕方無いな、と優しく笑って藍の色が肩にふわりと掛けられた。
遠くから聞こえる神楽は、何故だかセルロイドの洋燈のようにどこかぼんやりと耳に届いて。
いっそこのまま、いられたらいいのに、などと不埒な考えさえ呼びそうになる。
何時か、この想いが知れる時が来るのであればいっそそのまま絶えてしまえたら等と、不穏な想いすら引き起こす、けれど。
ふいに触れる、暖かな指先と。
しゃらりと響く衣擦れの音が、意識を現実に引き戻す。
「ねぇ」
「あ?」
「手、繋いでくれる?」
やさしいやさしい、たったひとりの、かたわれ。
今はまだ、自分の手だけを握っていて欲しいから。
突然の言葉に燐は驚いてはいた。でも、すぐに頷いてくれて。
お前はいっつも唐突だよな。
そう笑いながら真白な花飾りをそおっと髪に差し込んでくれた。
+++++++++++++++++++++++++
燐←姫な感じで。
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「ほんとに、さらっさらだよなぁ……」
するり、と指先が髪をすり抜ける。
じりじりと外を焼いていた日差しが少しずつ緩み始め、辺りは僅かずつその色を柔らかくしていく。
遠くから、かすかに人いきれのざわめきと神楽が聞こえている気がした。
「頭が重くならなくて…そんで邪魔にならなくて崩れない、だったな」
「うん」
「まあ、任せとけ。一番可愛くしてやる」
傍らに置かれているのは深い瑠璃色に白く百合の意匠が抜かれた仕立ての良い浴衣。そして何本かの細いリボンと、細やかな刺繍の艶やかな帯。
襦袢を纏って椅子に座ったまま、雪緒は髪を梳く兄の手に全てを委ねていた。
何に置いてもがさつな兄ではあったが、こういった細かなことは小さな頃から得意で。特に雪緒の髪の毛は途中から全て兄の手で整えられていたのだ。
ただそれは中学に上がるまで、ではあったが。
中学位から修道院に居着かずふらふらとしていた兄は時折しか髪を結い上げてくれなくなっていた。しかし、何故かこういったことに関して雪緒はどうしても不器用で……実際、女子が好むようなビーズ遊びやリリアンなどは全くもって苦手。料理は壊滅的な腕前で、編み物に至ってはマフラーがどう間違ったかコースターに成り果てる始末だ……髪を切ろうと考えていた時、偶然現れた兄は前触れも無くぼそりと呟いたのだ。
きれいだから そのままにしとけよ
それ以降、雪緒の髪は背を半分程覆うあたりで留められている。
そんな事を覚えているのかどうかは知らないが、こうしてまた二人で過ごすようになってから、雪緒の髪を結い上げるのは燐の仕事になっていた。
普段の生活時は雪緒でも出来るようなバレッタを使って纏めたりする程度のことだから手を煩わせることは無いのだが、何処かに出掛けるとか、ちょっとおしゃれをしたいとか、そんな事を思うとき、知ってか知らずか兄は自然と声をかけてくれて。
今日も、それは当たり前のように行われている。
「ねぇ、なにするつもり?」
「んー。編み込みかな。細かくやってリボンも入れてうまく纏めてやるよ。お団子とかだとなんか浴衣にあわねー気がする」
そう言いつつも、手に髪束を少しずつ取っては編み上げて行くそれには迷いも何も無く。右側から持ってきた髪をカチューシャでも作るかのように編み込みつつ左に持っていく様は中々堂に入っている。
「ねぇ、兄さんは浴衣着ないの?」
「あ?なんで?」
鏡に映る、指の動き。
もう、こどもの頃とは違う骨張ったそれが、髪を滑る。
「一緒に行くのに僕だけ浴衣ってなんかいやなんだけど」
何処かくすぐったいその感覚は、何時しかその意味を違えて。
掠めるように触れる指先に、あらぬ思いでこころは揺れる。
「……どうしてもか?」
「できれば」
うーん、と思案する声と共にヒュ、と空気が薙いだ。
「これ、隠すの大変なんだけどよ」
そう、兄には悪魔としての身体特徴故に尻尾がある。普段は腰履きのボトムからはみ出させたそれを腹部に巻き付けてシャツで隠すなどしている様だが、浴衣はそれなりに難しいようで。多少思案顔になっているのを横目で見てから、仰向くようにして兄を見上げた。
「なんとかしてよ」
ね?と首を傾げてみれば、困ったように笑う燐が、見える。
「わーったよ」
ひょいと元の位置に頭が戻され、ピンに括りつけた細いリボンを髪に差し込みながらそう言って我が侭を赦すその姿に、思わず意味を取り違えそうになって、しまう。
違うのだ、と。
兄にとって、自分は妹でしかないのだ、と。
何度も何度も、なんど、も。
跳ねるここをろ押さえ付ける呪文を唱えているというのに。
そんな事を知らぬ兄は、いつもの様に笑ってくれる。
その笑顔一つ、言葉一つで。
自分の胸は、張り裂けそうだ。
「浴衣青いから、飾りのリボンは白のレースにする。眼鏡、ラベンダーのフレームのあっただろ、それに変えろよ?」
「……どうして?」
「その方が絶対に、可愛い」
きっぱりと、潔い程に断言されたその言葉に思わずかぁ、と音でも立てるかのように頬が染まるのが解った。
しずまれ、しずまれ。
そう願うのに収まるどころかますますそれは熱を上げる。
「どうした?なんか熱いぞ?」
「な、なんでもないよ!」
触れているのだ、それに気付かれない筈は無くて。
心配そうな声と共に、兄の指がそっと首筋に触れた。
「────っ!」
途端、雪緒の身体が跳ね上がる。
「お、おい?どうした!ってか熱いぞやっぱり熱あるんじゃねーのか?」
こっちの気持ちなどお構い無しに、兄はそのまま掌を額に重ねようとしたものだから。
「……に、いさん、の」
つい、うっかりだった。
「バカぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
伸ばした腕は、兄の胸を押しやって。
「ぬおっ、お、おおおおおおおおお?」
思い切り良くその身体を向こうの壁へと転がしていたのだ。
ごん、と痛そうな音が部屋に木霊して。
「あで、て……」
ごろん、と。
頭を抱えた燐が床に転がって、いる。
やってしまった、と思いつつも余りのことにフリーズしてしまってそこから動けない雪緒の眼に、むくりと起き上がりつつ自分に視線を向ける兄が映る。
ぶち切れるか怒鳴るかはするだろうな、そう覚悟したというのに。
「あー……驚かせちまった、か?」
その声は、何処か心配げなもので。
「悪ぃ、いきなりやるなってこないだいってたのに忘れてた」
そっと、そっと。
触るぞ、という低めの声と一緒に額に乗せられた掌は、やっぱり優しかった。
「熱は、ねぇな。あとで汗だけ押さえとけ」
「う、ん……ごめん」
本当に勝手な、自分の抱えている気持ち。
兄にとってはきっと負担にしかならないであろうこの想い。
ただのきょうだいの、そのままの気持ちであれば良かったのに。
胸が、たったこれだけのことでも高鳴ってしまう。
「なーに謝ってんだよ。ほら、あと飾り付けるだけだから浴衣着ちまえ」
髪は、いつのまにか仕上がっていたようだった。
複雑に、細さの違う編み込みが重なり合い、所々で花のように形取られて。
その中に編み込まれた濃紺の細いリボンに縫い付けられたラインストーンが時折光を跳ね返す。
ああ、やっぱり。
僕を一番綺麗に仕上げてくれる。
そう思うのは、きっともうこの人を兄という存在としては見られなくなってしまっているから。
だれよりも、なによりも。
愛しく、大切で。そして────愛して、いるから。
決して知られてはいけない、この想い。
それを隠して、包み込んで。
まだ、妹の顔で笑える筈だから。
「……兄さん、着せて」
「はぁ?」
浴衣を持ち上げ手渡そうとしていた燐の眼を、真直ぐに見つめて雪緒は笑った。
「着せてよ」
きっと、その手は自分を一番綺麗に彩る。
きっと、その手は自分を誰よりも理解している。
だから、その手に全てを委ねるのだ。
「……いいのか?」
伺うようなその理由は、さっきの自分の態度だろう。自分のこの、兄に取っては意味も無い感情の為に取ってしまった態度。でも、それがただの気まぐれだと思ってもらう為にも、雪緒は笑う。
「うん」
頷き、にっこりと微笑んで。
今は、まだ笑い返す事が出来る。
何時か、その傍らに自分ではない誰かが立つことになるであろう、見えざるその先に辿り着くその日まで、は。
妹という、己の本心が望まぬ位置で、自分は花のように笑ってみせる。
仕方無いな、と優しく笑って藍の色が肩にふわりと掛けられた。
遠くから聞こえる神楽は、何故だかセルロイドの洋燈のようにどこかぼんやりと耳に届いて。
いっそこのまま、いられたらいいのに、などと不埒な考えさえ呼びそうになる。
何時か、この想いが知れる時が来るのであればいっそそのまま絶えてしまえたら等と、不穏な想いすら引き起こす、けれど。
ふいに触れる、暖かな指先と。
しゃらりと響く衣擦れの音が、意識を現実に引き戻す。
「ねぇ」
「あ?」
「手、繋いでくれる?」
やさしいやさしい、たったひとりの、かたわれ。
今はまだ、自分の手だけを握っていて欲しいから。
突然の言葉に燐は驚いてはいた。でも、すぐに頷いてくれて。
お前はいっつも唐突だよな。
そう笑いながら真白な花飾りをそおっと髪に差し込んでくれた。
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